2018年7月6日金曜日

1.1 Introduction to Management Accounting(管理会計基礎)

現在通っているビジネススクールでManagement Accountingの授業が終了しました。この授業の学習内容は主にCost Accountingに相当するもので、日本では簿記検定の原価計算や工業簿記にあたります。私は大学院生の時に簿記検定一級を取得したので、ある程度の基本的な内容を理解している状態で授業を受けることができました。しかしながら、ビジネススクールで学ぶ内容は、それを実際にどのように生かすのか、に軸足が置いてあるので、簿記資格を持っていても難しい部分がありました。

学習内容

・原価管理システムは意思決定者に経済的なシグナルを与える点で重要である。赤字を出しているという理由だけで部門を切り落とすと、間接費が存続部門に転嫁され、収益性の悪化、間接費率の増加というDeath Spiralに陥る。

・コストプールを一つにすると計算は簡単になるが、一部の間接費がそれと関連のない部門に配賦されるCross-subsidizationが問題になる。関連があり適切な数のコストドライバーを使用することが望ましい。

・定量的には、Cross-subsidizationDeath spiralを最小にする原価システムが高い質をもっていると言える。定性的には、間接費配分などで企業全体の利益を損なう部門間の争いのようなMotivation problemと、適切な種類、規模、場所、時間で資産が使用されることを可能にするCoordination problemを解決するため、意思決定者は従業員評価制度、内部転嫁価格を適切に設定するのが望ましい。

教科書



過去に履修した授業でも感じたことですが、やはりビジネススクールで問われる質問は、「絶対的な正解」がないので、(私はそれが普通だと思うのですが)多くの日本人は苦労しているようです。日本だと、会社員でも学生でも「正解はなにか?」「答えは何か?」と聞きがちで、それに答えられないと、「お前はダメだ」「何もわかっていないのに質問したのか?」と返事が返ってきます。絶対的な答えを求める努力を絶え間なく続けるのは、方向性としては悪くないのですが、どこまで頑張るのか、答えの精度をどこまで高めるのかは、日本とほかの国で大きく異なるように感じました。

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